この記事では、主要DEX(分散型取引所)であるSushiSwapについて解説します。
SushiSwap(スシスワップ)とは?
まずは、SushiSwapとは何かについて解説していきます。
SushiSwapは匿名の開発者Chef Nomi氏によって2020年8月にローンチされた、Uniswapを模倣して生まれたDEX(分散型取引所)です。1年足らずでDEXランキングでトップ10に躍り出た強者です。
ローンチされてから2年程しか経っていないSushiSwapですが、1日の流動性が250億円を超えるほど大きな取引所へと成長しています。
SushiSwapは、通貨の取引以外にも「レンディング」「ステーキング」「流動性マイニング」などのサービスも提供をしています。
SushiSwapは独自トークンとしてSUSHIトークンを発行しており、流動性を供給する(流動性プールに資金を入れる)とその報酬としてSUSHIトークンを得られるようになっています。
またSUSHIトークンは報酬として得られるだけでなく、BinanceやFTX、Paradise Exchangeなどの海外の仮想通貨取引所で上場しているため通常の取引で購入することも可能です。
さらに、現在はNFTプラットフォームの開発や、メタバースの開発を進めていると言われており、今後ますます便利なDEXとなっていくことが考えられます。
SUSHIトークンはParadise Exchangeで購入できます。
SushiSwap(スシスワップ)の特徴5選
ここからはSushiSwapの特徴について解説していきます。
AMM(自動マーケットメイカー)という仕組みが採用されたDEXである
SushiSwapは、AMM(自動マーケットメイカー)という仕組みが採用されたDEXの一種です。
従来のDEXでは、流動性が低く取引量が少ないという問題点がありました。この問題点を解決するためにAMMという仕組みが採用されています。
AMMとは、注文板を使ってユーザー同士の注文をマッチングさせるのではなく「流動性プール」とよばれる、あらかじめ準備された異なる2つの通貨が入っているプールからトレーダーがコインを交換する仕組みのことです。
プールに資金を提供した「流動性プロバイダー」には、プールにおけるシェア率に応じて、トレーダーが支払う取引手数料が分配されます。
このようにAMMでは、「流動性プロバイダー」になることでインセンティブを得られ、インセンティブ目当てに多くの流動性が生み出されました。
複数のネットワークに対応している
SushiSwapは、イーサリアムベースに作られているDEXですが、さまざまなネットワークに接続することができます。
現在多くのDEXは、ベースとなっているブロックチェーンにしか対応していませんが、SushiSwapではBSCチェーンやPolygonチェーンなど異なるチェーンに接続できます。
複数のブロックチェーンに対応することで、多くのユーザーを囲い込むことができるだけでなく、ユーザーが異なるチェーンを跨いで取引をする利便性が大きく向上することになります。
以下はSushiSwapが現在対応しているチェーンです。
- Ethereum
- Polygon(Matic)
- Fantom
- Harmony
- Optimism
- Fuse
- Metis
- Celo
- Arbitrum
- Gnosis
- Moonriver
- Avalanche
- Moonbeam
- BSC
- Telos EVM
レンディングサービスがある(Kashi)
SushiSwapでは、「Kashi(貸し)」と呼ばれるレンディングサービスがあります。これはSushiSwapのレンディングとマージン取引の機能です。
「Kashi」では、ユーザーがレンディング用のトークンペアを選択し、「BentoBox※」に資金を預け、他のユーザーが利用することで、金利を得ることができます。
また、金利は常に変動していますが、預ける通貨によっては年利が30%を超えるものもあります。
※「BentoBox」は、SushiSwap内の金庫的な役割を果たしている擬似ウォレットのようなものです。
ステーキングサービスがある(Sushi Bar)
SushiSwapには、「Sushi Bar(スシ・バー)」と呼ばれるステーキングサービスがあります。ステーキングとは、対象の通貨を保有してネットワークに参加することで報酬を得られる仕組みのことです。
SUSHIトークンをSushi Barで保有し、ステーキングすることでSUSHIトークンとxSUSHIトークンを報酬として得ることができます。
流動性マイニング(Onsen)
SushiSwapには、「Onsen(温泉)」と呼ばれる流動性マイニングサービスがあります。流動性マイニングとはDEXに流動性を供給し、見返りとして取引所の独自トークンを得ることを言います。
Onsenでは、SushiSwap内のOnsen Menuにあるリストに流動性を供給すると、報酬としてSUSHIトークンを受け取ることができます。
SushiSwap(スシスワップ)のリスク
ここからはSushiSwapのリスクについて解説していきます。
補償がない
SushiSwapは日本国内の仮想通貨取引所とは異なり、金融庁からライセンスを得ているわけではありません。
さらに、完全に分散化された取引所ということで、どこの国の法律にも拘束されていません。
仮想通貨の理念に沿った自由な金融を実現できる仮想通貨取引所と言えますが、そのことがトラブルの原因になるかもしれません。
もし何かトラブルが起こったとしても、損害が補償される可能性は極めて低いと言えます。
日本語サポートがない
SushiSwapのサービス名には日本語の名称が使われていますが、日本語のサポートは行われていません。
そのため、英語が苦手だったり、取り引きに慣れていない場合は、思い通りの取り引きができないかもしれません。
DEXなので、利用前の本人確認や審査などが不要で誰でも利用可能ですが、少しハードルは高いと言えます。
システムバグのリスク
高いセキュリティ性能を持つDEXですが、100%安全というわけではありません。
あらかじめ決められたルールに基づいて第三者が関わることなく自動で取り引きが行われるDEXですが、そのルールは事前にプログラミングされています。
そのプログラムは、バグが潜んでいる可能性があります。
開発者も予期していなかったエラーが発生し、何らかのトラブルが発生する可能性があります。
SushiSwap(スシスワップ)のまとめ
今回は主要DEXであるSushiSwapについて解説しました。
仮想通貨の投資手法は、価格が安いときに買って、価格が上がってから売ることでキャピタルゲインを狙うことが一般的でした。しかし、ステーキングや流動性マイニングによって、売買以外でインカムゲインを得られるようになりました。
仮想通貨の将来性にかけて、中長期で仮想通貨投資をしたいと考えている投資家も多いと思います。それなら、せっかく保有している仮想通貨を眠らせず、ステーキングや流動性マイニングを上手に活用することで、資産形成の効率が上がるはずです。
SushiSwapでは、さまざまなネットワークに接続することができるので、国内取引所では扱っていない数多くの通貨を取引することができます。
このようにSushiSwapには多くの特徴があるので、ご自身でしっかりリスク管理をしたうえでSushiSwapで取引してみてはいかがでしょうか。