DEX(分散型取引所)とは?特徴やメリット・デメリットを徹底解説!

DEX

DEXとは

DEX とは、Decentralized Exchangeの略で、日本語では「分散型取引所」や「非中央集権型取引所」と呼ばれています。

一方で、国内の取引所で有名なCoincheck(コインチェック)やGMOコイン等は、CEX(中央集権型取引所)と呼ばれます。

両者の大きな違いとしては、中央組織(管理者)の有無です。

CEXでは、従来の金融機関と同じく中央管理者がサービスの管理・運営を行なっています。

例えば、仮想通貨の管理に必要な「秘密鍵」は取引所が管理しています。CEXでは高度なセキュリティ対策が取られている取引所が多いため、ユーザー自身で資産管理する必要がありません。また国内外の主要な取引所はCEXで運営されており、ユーザーにとって利用しやすい環境が整っています。

しかし、どれ程高いセキュリティが敷かれていても、取引所自体がハッキングを受けてしまうリスクがあります。数年前に起こったCoincheckのネム流出事件は、取引所がハッキングを受けたために起こりました。その後Coincheckは持ち直しましたが、最悪な場合は流失した資産が返って来なかったり取引所が破綻するリスク(カウンターパーティリスク)があります。

一方でDEXでは、サービスの管理・運営をおこなう中央組織が存在しません。そのため、中央管理者を介さずとも個人間で仮想通貨の取引ができます。また中央管理者がいる場合だと、内部で不正が行われていても知るすべがなく、運営について不透明な部分がたくさんあります。その点DEXでは、参加者同士で管理・取引するため透明性が高いこともポイントです。

そのため今回は、DEXのメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

DEXのメリット3選

手数料が安い

CEXは人件費や維持費など色々コストがかかるため、サービスの利用料として色んな事に手数料がかかります。

それに比べてDEXは中央管理者がおらず、ユーザー同士が個人間で取引を行うためコストが削減され手数料が安く済みます。

ハッキングリスクが低い

CEXの場合は、中央管理者によって資産管理されています。たくさんの資産が集まる取引所でハッキングが起こると大量の仮想通貨が流出したり、中央管理者の内部不正で盗まれたりするリスクがあります。取引所が破綻した場合、資産を失う可能性もあります。

一方DEXでは、自身で作成したウォレットを取引所に紐付ける形で利用します。中央管理者が存在しないため取引所では資産管理を行なわず、全てを個人に委ねられます。そのため取引所内で何か重大なトラブルや被害があっても、資産が失われる危険性が低いです。

※DEXを利用する場合は、自分で管理しているウォレットの安全性を高める必要があります。

本人確認の必要がない

DEXは、ウォレットさえあればすぐ取引が可能です。(メールアドレスの登録が必要なDEXもあります。)

本人確認なしで取引を開始できるため面倒な手間が省けますし、個人情報が漏えいするリスクがありません。

誰でも簡単に登録できるので、世界中の人々と個人間で直接仮想通貨を取引することが可能です。

発展途上国などの金融インフラが整っていない国でも、インターネット環境さえあれば仮想通貨を資産として保有できます。

また、銀行口座が持てない人は世界で約25億人いると言われますが、その場合でもDEXを使うことで問題なく仮想通貨の取引ができます。

DEXのデメリット3選

流動性が低くなる可能性がある

CEXは、中央管理者が流動性を高めるため市場に介入でき、価格を安定させることができます。

しかしDEXは個人間での取引なので、流動性プールの供給量が少ないトークン(通貨)などは、価格の変動が激しくなり希望の価格で取引できなくなる可能性があります。

補償やサポートが充実していない

DEXはCEXと異なり、金融庁からライセンスを得ているわけではありません。

さらに、完全に分散化された取引所ということで、どこの国の法律にも拘束されていません。

仮想通貨の理念に沿った自由な金融を実現できる仮想通貨取引所と言えますが、例えどんなトラブルが起きても、DEXに関する法整備はまだ整っていないため訴訟を起こすことは難しいです。

また、DEXはいわゆるカスタマーサポート的な存在がありません。疑問があるときに確認する場所がないので、初心者の方は不安になることもあるかもしれません。

すべては自己責任なので、補償やサポート面が充実していない点はDEXのデメリットと言えます。

詐欺コインが上場している場合がある

DEXの魅力の1つとして、上場審査がなく誰でも簡単に通貨を上場させることができるという点があります。

しかし、逆にDEXには詐欺コインの上場も可能ということです。

数ある銘柄の中から選んで取引できるのはメリットですが、選ぶ通貨を間違えると大きな損失を被る可能性もあります。

前述した通りDEXは金融庁のライセンスを受けていないため、詐欺コインの被害に遭ってもすべて自己責任です。

マイナーな通貨の中から将来性に賭けて投資をする手法もありますが、初めて投資する方は怪しい通貨には手を出さない方が良いでしょう。

おすすめのDEX

Uniswap(ユニスワップ)

Uniswapは、2018年にリリースされたDEXの中でも最大級の取引所です。

イーサリアムネットワークのブロックチェーン上で開発されており、流動性プールに仮想通貨を預けると独自通貨である「UNI」をもらえます。

イーサリアムネットワークのトークンを取引する場合は1番取引量が多いのでおすすめです。

PancakeSwap(パンケーキスワップ)

PancakeSwapは、BSC(バイナンススマートチェーン)というブロックチェーン上で動作している、DEXです。

PancakeSwapは数あるDEXの中でも、手数料が低く設定されているのが特徴です。

さらに流動性プール内に仮想通貨を預けておくことで、利息としてCAKEトークンをもらえるなど、他にもメリットがあります。

PancakeSwapについては下記記事をご確認ください。

SushiSwap(スシスワップ)

SushiSwapはイーサリアムネットワークベースで作れたDEXです。

2022年10月現在、SushiSwapはBSCチェーンやPolygonチェーンをはじめ20もの異なるネットワークに対応しています。

また、SushiSwapは、通貨の取引以外にも「レンディング」「ステーキング」「流動性マイニング」などのサービスも提供をしています。

SushiSwapについては下記記事をご確認ください。

まとめ

今回はDEXについて解説しました。

DEXはウォレットさえあれば簡単に利用でき、本人確認をせずに利用できるため個人情報が漏洩する心配もありません。

CEXで起きやすいハッキングや不正などのトラブルも回避できるというメリットがあります。

カスタマーサポートが存在していなかったり、セキュリティ面は個人に依存する不便な面もあるので、仮想通貨の中級者以上の方におすすめです。

CEXに上場していない通貨をDEXで扱っていることもあるので、興味がある方は利用してみてください。