TON(トンコイン)とは
TON(トンコイン)は、TON財団が開発・運営するブロックチェーンのネイティブトークンです。
元々、このTONネットワークは2018年にTelegramの創始者であるデュロフ兄弟によって開発されました。
当初、TONネットワークは、Telegramアプリ内での支払いやTONネットワークの手数料支払いに使う目的でGRAMトークンを開発しICOを行った結果、約17億ドルを調達に成功しました。
しかし、Telegramがこの17億ドル相当のGRAMトークンの売却を適切に報告しなかったため、米国証券取引委員会(SEC)が問題視し、GRAMトークンを有価証券にあたるして2020年5月に訴訟を起こしました。
その結果、GRAMトークンは有価証券と判断され、Telegramは裁判で敗訴しました。裁判で敗訴したTelegramは、このTONプロジェクトから手を引くことになりました。
その後、2021年にTelegramとTONのファンで構成されたTON財団によってプロジェクトを引き継がれることとなり、分散型プロジェクトとして開発が再開され、トンコイン(TON)が誕生しました。
現在、TON財団はTelegramとの提携して、TONブロックチェーンを進化させています。
TON(トンコイン)の概要
通貨記号 | TON |
提唱者 | Nikolai Durov氏とPavel Durov氏 |
発行上限 | なし |
発行開始時期 | 2018年 |
時価総額(2024年7月1日時点) | 3兆461億829万枚(ランキング8位) |
公式サイト | https://ton.org/ |
参考サイト | https://coinmarketcap.com/ja/currencies/toncoin/ |
TON(トンコイン)の特徴
高速な取引処理速度
TONは従来のブロックチェーンと比べて非常に高速なトランザクション処理を実現しています。
数秒以内にトランザクションを確認することができ、多くのトランザクションを同時に処理することが可能です。
この高速な処理速度は、特に高頻度の取引やリアルタイム決済が求められるアプリケーションにおいて大きな利点になっています。
Telegramでの送金と交換が可能
TONネットワークと使い、Telegram上でTONを送信できる機能があります。
送金相手のユーザー名をタップするだけで、簡単かつ手数料無料でTONを送金することができます。
スケーラビリティ問題を解消する3つのブロックチェーン
ビットコインなどの仮想通貨では、利用者が増えると取引数も増え、ネットワークの処理速度が遅くなる問題が発生しやすくなります。これを「スケーラビリティ問題」といいます。
TONはその問題を解消するために「マスターチェーン」「ワークチェーン」「シャードチェーン」の3つのレベルのブロックチェーンで構成されています。
マスターチェーンは全体の安全性を保ち、ワークチェーンはアプリやスマートコントラクトを動かすためのリソースを提供し、シャードチェーンはトランザクションを速く処理しています。
テレグラムパスポートと匿名性の確保
TON(トンコイン)は、テレグラムパスポートを利用することで、ユーザーの匿名性を確保しています。
このシステムを使用することで、特定の国家や政府であってもユーザーを特定することはできないようになっています。
テレグラムパスポートとは
ユーザーの個人ID情報を暗号化し、暗号化したID情報を安全に第三者と共有できるサービスのこと。
TON(トンコイン)の将来性
Telegramによって利用者数の増加
TONコイン(Toncoin)の将来性の一つの重要な要素は、Telegramのユーザーベースとの連携です。Telegramは世界中で広く利用されているメッセージングアプリであり、数億人のアクティブユーザーが存在します。
Telegram内でTONウォレットが統合され、ユーザーが簡単にTONコインを送受信できるようになったことで、TONの利用者数が急増しています。
これにより、TONコインの流通量と取引量が増加し、市場価値の向上が見込まれます。
さらに、Telegramは新機能やサービスを通じてTONエコシステムを強化し続ける予定であり、これがさらなる利用者の増加に繋がると予測されます。
仮想通貨のエコシステムとは
様々な要素が相互に関連し合って成り立っている一つの環境のことを指します。
ステーブルコインUSDTとXAUTの連携
TONブロックチェーンでステーブルコインUSDTの流通が始まりました。
同時に、金に連動するトークン「XAUT」もTONネットワークで利用できるようになる予定です。
XAUTがイーサリアム以外のブロックチェーンで使われるのはTONが初めてになります。
これにより、TONのエコシステムは成長し、ユーザー間でスムーズな価値移転が可能になると期待されています。
AI企業HumanCodeとの提携
2024年4月に、TONエコシステムのコミュニティが、AI新興企業HumanCodeと提携し、手のひらをスキャンする個人認証プロジェクトを開始したと発表しました。
このプロジェクトは、ユーザーの手のひらをスキャンして物理的な匿名性を保ちながら、ブロックチェーン上で人間であることを確認するツールを提供することを目的としており、今後の進展に注目が集まっています。
TONコインの価格はこのプロジェクトの発表を受けて、前日比で約21%高騰しました。
TON(トンコイン)の価格推移
TONの最高値は2024年6月15日につけた1,326円です。
TONは、2021年の金融緩和による上昇に対し、2022年はステーブルコインのテラ(LUNA)や大手仮想通貨取引所FTXの破綻など、仮想通貨市場にマイナスの影響を与える出来事が続いたため価格が低迷していました。
2024年に入り、AI企業の提携や、ステーブルコインUSDTの統合拡大とTelegramアプリ内でプレイできるトークン・マイニング・ゲーム「NotCoin」の成功が追い風となり、過去最高値の更新につながる結果となりました。
最高値更新後の現在は、1,239円で取引されています。(2024年7月1日時点)
まとめ
今回は、メッセージングアプリのTelegramが開発を始めたブロックチェーンTONについて解説しました!
TONは、今後もさまざまなサービスやアプリで使えるようになる予定です。これにより、仮想通貨を日常的に利用する機会が増え、便利さがさらに向上すると期待されているので、動向や価格には目が離せませんね!
今回紹介したTONが気になった方は、Paradise Exchangeでも取り扱っていますので是非チェックしてみてください。