アバランチ(AVAX)とは
アバランチは、Ava Labsによって開発され、2020年9月にローンチされた比較的新しいブロックチェーンプラットフォームです。
このプラットフォームは、分散型アプリケーション(DApps)の開発に特化しており、特にDeFiサービスの提供に注力しています。現在さまざまなDeFiプロジェクトがアバランチに参入しています。
また、アバランチは独自トークンである「AVAX」を発行しており、このトークンはネットワーク内でのトランザクション手数料の支払いやステーキングなどに使用されています。
アバランチの概要
通貨記号 | AVAX |
開発元 | Ava Labs |
発行上限 | 7億2,000万枚 |
発行開始時期 | 2020年9月 |
時価総額(2023年8月3日時点) | 約6418億8573万円(ランキング18位) |
公式サイト | https://www.avax.network/ |
参考サイト | https://coinmarketcap.com/ja/currencies/avalanche/ |
アバランチの特徴
処理速度が速く低コスト
アバランチは「アバランチ・コンセンサス」と呼ばれる独自のコンセンサスアルゴリズムにより、高い処理速度を実現しています。
ビットコインが1秒当たり約7件、イーサリアムが1秒当たり約15件、そして一般的に処理速度が速いと言われているリップルでさえ1秒当たり約1500件であることを考えると、アバランチは他の仮想通貨よりも処理能力が高いのが分かります。
また、低い手数料も特徴であり、取引の低コストも実現しています。
ブロックチェーン | トランザクション処理数(1秒当たりの平均値) |
ビットコイン | 約7件 |
イーサリアム | 約15件 |
リップル | 約1,500件 |
AVAX(アバランチ) | 約4,500件 |
このアルゴリズムでは、仮にノードの8割が悪意のあるノードであったとしてもネットワークが正しく機能する仕組みになっているため、より高度なセキュリティが提供されます(ビットコインでは、ノードの51%以上が正しく機能する必要がある)。
役割ごとに3つのチェーンに分かれている
アバランチは、以下の3つのチェーンから構成されています。
1.「Cチェーン」:EVM(イーサリアム仮想マシン)が実装されたチェーンで、スマートコントラクトの実行が可能。DAppsの構築にはこのチェーンを利用する。
2.「Xチェーン」:資産の作成およびトレードに特化したチェーン。スマートコントラクトには対応していない。Xチェーンで作成した資産をCチェーンで利用することも可能。
3.「Pチェーン」:アバランチのメタデータを記録するチェーン。バリデータやサブネット(複数のノードから構成されるネットワーク)の管理は、このチェーンで行われる。
これにより効率的なトランザクションの処理を実現しています。
それぞれ異なる用途を持つブロックチェーンで構成されてはいますが、基軸通貨はAVAXで統一されています。
独自のブロックチェーンを作ることが可能
アバランチでは、「サブネット(Subnet)」と呼ばれるネットワークを構築することで、その中に独自のブロックチェーンを作成できます。
またサブネットはカスタマイズが可能なので、プライベート型のブロックチェーンに変更したり、独自トークンや手数料などの料金体系等を自由に設定できます。
アバランチのサブネット技術を活用することにより、規制に準拠した、または特定のルールを組み込んだネットワークおよびブロックチェーンを構築することが可能になります。この特徴は、金融機関や公共機関、企業、政府などが資産を発行しアプリケーションを構築するのに非常に適したプラットフォームだと考えられています。
相互運用性がある
アバランチは、他のブロックチェーンとの相互運用性に焦点を当てています。これにより、異なるブロックチェーン間でのデータ移行が簡単にできます。
特にイーサリアムとの互換性が非常に高く、イーサリアムのDAppsをそのままアバランチへ持ち込むことができます。他にもイーサリアムユーザーに広く利用されているウォレット「MetaMask」もアバランチで利用可能です。
アバランチの将来性
高いスケーラビリティと高性能
アバランチは、驚異的なスケーラビリティと高い性能を実現しています。これにより、大量のトランザクション処理やデータの取り扱いが可能となり、多くのユーザーや企業のニーズに対応できる可能性があります。
多くのユーザーが同時に利用してもネットワークのパフォーマンスが低下することなく、スムーズにトランザクションが完了できるため、アバランチは企業やユーザーにとってますます需要が高まる期待されています。
DeFiとスマートコントラクトの成長
アバランチは、DeFiプロジェクトやスマートコントラクトの開発を支援しています。
プラットフォーム上で多くの分散型アプリケーションが展開されることが期待されており、DeFi市場の成長に伴い、アバランチが採用され需要が上がると予想されています。
相互運用性とブリッジの重要性
アバランチのクロスチェーンブリッジにより、他のブロックチェーンとの連携が容易になります。
クロスチェーンブリッジとは、アバランチのネットワークと他のブロックチェーンとの間でトークンやデータを移動させるための仕組みです。
クロスチェーンブリッジによってブロックチェーン間での相互運用性が実現されることで、他のブロックチェーンユーザーがアバランチに参加しやすくなり、プラットフォームの利用価値が向上すると期待されています。
アバランチの価格推移
アバランチ(AVAX)の最高価格は、2021年11月につけた15,000円台で、2021年の仮想通貨市場の盛り上がりと共に価格を上昇させました。
しかし、翌年の2022年にFTXショックやステーブルコイン「テラ」の大暴落など、ネガティブな出来事が多発した影響で価格が大きく下落しました。
2023年8月時点では1,800円台を推移しています。
まとめ
今回はアバランチについて解説していきました。
アバランチは、革新的なブロックチェーンプラットフォームで独自のコンセンサスアルゴリズムにより高いスケーラビリティと高性能を実現しており、「イーサリアムキラー」とも言わている仮想通貨の一つです。
特にDeFiプロジェクトや分散型アプリケーション(DApps)の開発に力を入れ、多くの企業が採用しているため、今後も継続し活躍していくことで長期的な価格の上昇も期待できるのではないでしょうか。
今後の開発内容や価格動向には目が離せませんね。
今回紹介したアバランチが気になった方は、Paradise Exchangeでも取り扱っていますので是非チェックしてみてくださいね。